フットケア外来
「自分で歩ける足を守る」
平成28年2月10日(フットケアの日)に、患者さんの「歩ける足を守る」ことを目的として、循環器内科医師、外科医師、糖尿病看護認定看護師を中心にフットケア外来を開設致しました。
人は足から老いると言われます。歩行機能低下が、脳卒中、心臓病、認知症、転倒骨折などの病気の始まりであるという考え方です。逆を言えば、歩行機能を維持することで、これらの病気の危険性を下げることができ、これは医学的にも証明されています。皆さんの周りにも、よく歩いている元気なご高齢の方がいるのではないでしょうか。
足の病気は多岐に渡り、非常に多くの方が持っています。胼胝(タコ)、鶏眼(ウオノメ)、白癬(水虫)、外反母趾などの変形は、「痛み」や「不安定」の原因となり得ます。加えて、血流障害、腎臓病(透析患者)、糖尿病、皮膚疾患、整形外科疾患などの素因を持つ方は、「潰瘍」や「感染」に発展する可能性があり、最悪の場合は「下肢切断」や「生命の危機」に繋がることもあります。これら怖い状態になるきっかけには、合わない靴や足の手入れ不足・運動不足が関係していることも忘れてはいけません。患者さんの足を診ることで、全身の病気を早期発見できたり、その方の生活の悪習慣まで見えてきたりすることもあるのです。
このように非常に複雑な病態を呈する足の病気ですが、日本には足の専門職がありません。そのため我々フットケア外来では、チームで足の病気に立ち向かいます。足に関するお悩みがある方は是非ご相談ください。一緒に健康寿命を延ばしましょう!
対象・疾患
歩行機能維持という観点から全ての方が対象です。糖尿病の方、腎臓病(透析患者)の方は、足の病気が悪化する可能性が高いため特に注意が必要です。
- ・タコ、ウオノメが痛い
- ・水虫が心配
- ・外反母趾などの変形が痛い
- ・巻き爪、陥入爪、肥厚爪が痛い
- ・靴、中敷きが合わない
- ・足が冷える、足がつる
→ 末梢動脈性疾患、慢性静脈不全など - ・足がむくむ
→ 慢性静脈不全、リンパ浮腫など - ・血管がボコボコしている
→ 慢性静脈不全(下肢静脈瘤)など - ・潰瘍、壊疽
→ 糖尿病足病変、末梢動脈疾患、慢性静脈不全など
治療
当院では下記治療が可能です。
- ・一般的なフットケア
:保清、保湿、爪切り、グラインダーなど - ・皮膚白癬、爪白癬の治療
:外用薬や内服薬 - ・巻き爪、陥入爪の治療
:爪処置、テーピング、3TO(爪矯正法)など - ・末梢動脈疾患の治療
:動脈狭窄や動脈閉塞に対するカテーテル治療 - ・下肢静脈瘤の治療
:血管内焼灼術、瘤切除、硬化療法 - ・慢性静脈不全、リンパ浮腫の治療
:弾性包帯や弾性ストッキング - ・靴、中敷き不適合の治療
:義肢装具士による適合、調節
特徴
当外来では、多職種で患者さんの足を診ております。フットケアチーム内に、日本フットケア・足病医学会認定のフットケア指導士が3名、弾性ストッキングコンダクターが7名在籍しております。また、外部から義肢装具士に来ていただき、靴や中敷き、装具の相談にも乗っております。(曜日の限定があります)
当外来では、治療だけでなく予防にも努めております。特に治療が完了した方には、セルフケアを積極的に指導し、再発予防ができるようにしております。
当院フットケアチームは、院内外の啓発活動も行っております。健康教室や市民公開講座など、ご協力させていただける場合はご連絡をください。啓発活動の一環として、下記もご参照ください。
診療スタッフ
竹内 和航(循環器内科医長)専門領域 |
診療日
毎週水曜日 15時から(予約制)
毎週木曜日 14時から(予約制)
問い合わせ先
当院外科外来 (月~土曜日対応。電話でのお問い合わせは、できれば午後にお願いします。)