治験 患者さん向け
「治験(ちけん)」とは?
『治験』とは、新しいくすりの候補が開発され国(厚生労働省)に「くすり(医薬品)」として認めてもらうため、患者さんにご協力いただき、対象となる病気に対する有効性と安全性を確認する試験のことです。
私たちが普段使用しているくすりも、このような治験によって有効性と安全性が確認されてきたもので、今後も病気の治療法が進歩するためには必要不可欠なものです。皆様のご理解とご協力をお願いいたします。
「くすり」ができるまで
基礎研究(2〜3年) | 数百万個の中から「くすり」になりそうな物質を見つけます。 |
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非臨床試験(3〜5年) | 有効性や安全性を動物で確かめます。 |
治験【第I相試験】(3〜7年) | 健康な成人の方を対象に人での体内動態や安全性を確かめます。 |
治験【第II相試験】(3〜7年) | 少数の患者さんを対象に有効性や安全性を確かめ、用法・用量を決定します。 |
治験【第III相試験】(3〜7年) | 多くの患者さんを対象に有効性や安全性を確認します。 |
承認審査(1〜2年) | 厚生労働省へこれらの結果を提出し「くすり」として認めるかどうか厳しい審査を受けます。 |
新薬誕生 | 長い年月をかけて、ようやく新しい「くすり」が誕生します。 |
ひとつの新薬が誕生し、患者さんの手に渡るまでには、10年以上の長い研究開発期間と、300〜800億円もの費用がかかるといわれています。また、基礎研究で見つかったくすりの候補が「くすり」として誕生する確率は、1万分の1とも言われています。
治験のルール
治験は、「薬事法」と厚生労働省の定めた「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(GCP)」というルールに従って行われます。当院では、このルールに従った治験を実施しており、参加される患者さんの安全性に十分な配慮をしております。
患者さんに治験の参加をお願いする場合、治験を担当する医師や治験コーディネーターが治験の目的や内容について十分に説明をいたします。その上で治験に参加するかどうかを決めていただきます。
治験への参加は、患者さんの自由な意思によるものです。参加を希望されない場合や途中で参加をとりやめた場合でも、患者さんの治療にさしつかえることも不利益をうけることもありません。また、治験に参加していただいた患者さんのプライバシーは厳重に守られます。